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剣道の袴には、表に5つ、裏に2つ、腰元から足元にかけてまっすぐな折り目(ヒダ)があります。
これって一体何のため?と不思議に思ったことはありませんか?
実はこの折り目、決して無駄な折り目ではありません。
五常
「ごじょう」と読みます。
大辞林によると、儒教で人が常に守るべき五つの徳目のこと、とあります。
五つの徳目とは
- 仁 己に克ち、他に対するいたわりのある心のこと
- 義 正しい行いを守ること
- 礼 礼儀、礼節を重んじること
- 智 物の道理を知り正しい判断を下すこと
- 信 いつわりのない忠実な誠の心
を表します。
これが袴の表側にある5つのヒダの表す心です。
この五つの徳目を、袴を身につけることによって、順守すると誓っているのです。
忠・孝
「ちゅう」「こう」と読みます。
儒教において、最も重要な徳とされるものです。
それぞれ
- 忠 主君に尽くすまごころのこと
- 孝 親、兄弟を大切にする心のこと
といった意味を持ちます。
・・・というのが定説です。
定説というからにはもちろん、他の説もあったりします。(^^;ゞ
五つのヒダが表しているのは五穣(ごじょう)だ、いや五倫(ごりん)だ、という説、二つのヒダは天地(てんち)、あるいは陰陽(おんみょう)を示している、などなど・・・
ちなみに
五穣
「ごじょう」と読みます。五穣とは、この言葉が生まれた中国で、当時生きるためにもっとも重要であった食物のコメ・ムギ・ヒエ・アワ・マメを指します。
五倫
「ごりん」と読みます。
やはり儒教の教えの中で説かれる徳です。
教似人倫、父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信の五つを指します。
天地
神道において万物の祖とされる空と大地を表します。
二本のヒダそれぞれの腰板下の始点を「天」、裾の終点を「地」とする、と言われています。
陰陽
「おんみょう」と読みます。
古代中国の思想では、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物をさまざまな観点から陰(いん)と陽(よう)の二つに分類しています。
互いに対立する属性を持った二つの気は、万物の生成消滅をもたらすと考えられており、やはり全ての祖を表す言葉です。
いずれが正しいのか諸説あるため、どれと決めることは出来ません。
しかし、少なくとも武道を学ぶものとして「大切なことを忘れない」という意味を表していることには変わりがありません。
剣道を習う子供を持つお母さん方にお願いです。
洗濯をするとヒダがしわとなり、アイロンがけも一苦労だと思いますが、袴のヒダがまっすぐになるようにしてあげて下さい。
きっとお子さんも袴のヒダと同じように、まっすぐに育ってくれるはずですよ。
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HN: | まるち● |
HP: | 蕨市南剣道クラブ |
性別: | 男性 |
職業: | システムインテグレーター |
自己紹介: | |
小学校二年生より剣道をはじめ、高校時代まで約10年間修練に勤しむ。
その後一時剣の道から遠のくも、自分の子供たちが剣道を始めたことをきっかけに、再度剣士として修行を積むことに。 小学三年生より約四年間、かつて某テレビ局で殺陣の指導をされていた恩師ご指導のもと、神免派二刀をご教授いただく。 現在はIT関連企業に従事し、主にソフトウェアの検証・評価・導入支援を担当。 |