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南剣では、毎週土曜日の最後のお稽古として、子供たちに連続打ち込み稽古をさせています。
一回15秒間、一人の基立ちとなる先生に出来るだけ一息で連続して打ち込み続け、5人~7人並んだ先生に次々と懸かって行くお稽古です。
普通に15秒間×5~7人の先生に懸かるだけでもツラいこのお稽古ですが、特に最後の懸かり手となる子は、通常一番最後の先生が一回分の時間では終わらせないため、稽古終了時には精魂尽き果ててしまいます。
このお稽古、見ているお父さん、お母さん方の中にはお子さんたちを
「かわいそう。どうしてこんなヒドいことをするの?」
と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしこれには理由があるのです。
全日本剣道連盟のホームページに、以下のような一文があります。
「剣道とは、剣の理法の修練による人間形成の道である」
これを噛み砕いて説明すると、剣道を行なうことにより人間が生まれながらにして持っている「すばらしい精神」を引き出し、それを磨き、鍛え、育てていく、ということになります。
人間は誰しも自分本来の限界よりも少し手前に、幻の「自分の限界」の壁を作ってしまいます。
そしてこの「幻の壁」に守られることで、自分では「限界だぁ・・・」と思った後でも、歩いて帰ることも出来ますし、考えることも出来るだけの体力を温存出来ているのです。
もし自分一人でその幻の壁を超えようと考えたなら、自分を虐め抜いて、なお虐め抜いて、さらに虐め抜いたとして、ようやく達成出来るかどうか・・・
よほど精神力が強くない限り、非常に困難だと言えます。
裏を返せば「幻の壁を乗り越え、自分本来の限界に一歩でも近付けるようになれば、精神力自体も強くなれる」ということになります。
連続打ち込み稽古がもたらしてくれる効果は他にも沢山あるのですが、その目指すところはまさにこの部分です。
懸かり手自身(つまり子供たち)が自分で思い描いている精神力の限界(つまり幻の壁)より少し先まで基立ちとなる先生が引き出してくれることで、幻の壁を少し本来の限界に近付けます。
これを毎週のように繰り返すことで、精神力を磨き、鍛えているのです。
ここで見学をされているお父さん、お母さん方にお願いです。
稽古に来ている子供たちは、毎回必死になって「幻の限界」に挑戦し続けています。
これは何も連続打ち込み稽古をしているときに限った話ではありません。
自己の精神を磨くために必死になって頑張っている子供たちの見えるところで、例えば壁に寄り掛かって携帯電話を操作していたり、足を投げ出しておしゃべりしていたり・・・。
くれぐれも誤解しないでいただきたいのですが、これは何も「稽古を見学するときは、ずっと正座して黙って見ていろ」と言っているわけではありません。
足を崩されていても結構ですし、少しくらい他のお母さん方とお話されている分には一向に構いません。
ですが、お稽古中に大きな笑い声が聞こえてきたり、ちょっと見苦しい姿勢で見学されていたり、携帯電話でゲームをされていたり、いらした際・お帰りになる際に挨拶もされずに黙って通り過ぎたりされる方をお見受けしています。
お子さんの精神修行の場が剣道の道場です。
一生懸命お稽古しているお子さんは、なかなかご家庭では見られない顔をしていると思います。
凛々しくもたくましいお子さんの姿、是非お父さん、お母さん方も一緒に真摯な姿勢で見守ってあげて下さい。
また、その妨げになるような行為は、くれぐれも慎んでいただけますよう、切にお願いいたします。
一昨日の夕食時…
ひょんなことから、長女の手の内、とくに左が甘く、打突時に脇が開いている…という話になりました。
最初は神妙な面持ちで聞いていた娘ですが、途中から何度も繰り返し言われていることなので、ついに逆切れ!
「でもそんなこと言われたって、ちゃんと打つ時左手ギュッって握ってるもんっ!」
ついにはほんのり涙目。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…って、ちょっと待て!
ギュッて握ってる、って、ナンだ???(・_・")???
良く娘の話を聞いてみると、思いもしなかった勘違いのあることが発覚。
長女は他の先生方からも再三同じように
「手の内が甘い。」
と言われてきました。
そのたびに、掌(てのひら)の内側を締める=ギュッと握り締めるように心がけてきたそうです。
…そうか。
娘なりに、ちゃんと先生に言われたことを守ろうとしてたわけね。
逆切れの元はそこか…
しかしながら、残念なことに不正解。
「手の内を締める」というのは、掌の内側を締めろ!と言っているのではありません。
むしろそれはペケです。
「手の内」というのは、竹刀を持つ両腕の内側のこと。
正眼の構えを上から見ると、右腕と左腕、そして胸板で三角形が形成されます。
ここから左右の肘を内側に絞り込んだ状態、これが「手の内が締まった状態」です。
実際にやってみるとおわかりかと思いますが、手の内を締めると竹刀の切っ先は若干下がり、腕は肘を曲げられずに「クッ」と伸びます。
つまり打突時に肘が開いてしまっている…ということは、手の内が締まっていないから出来る芸当であって、手の内を締めて打突していれば肘は曲げようがないはずなのです。
昨年10月時の長女の打突
向かって右、白地の道着を着ているのが長女です。
打突時に左肘が見事に折れ曲がっていて、まさに手の内がまるで締まっていない証拠です。
長女の誤解もようやく解けたようなので、今後の長女の打突に期待!
…したいところですが、果たして…(;^_^A
手の内とは「掌の内側」ではなく、「腕の内側」のことと覚えましょう!(*^^*)
注)この記事には、私の勘違いに端を発した間違いがございます。
詳しくは[つづきを読む]までお読み下さい。
大変申し訳ございませんが、間違った知識を身につけないためにも、どうかよろしくお願いいたします。
今日の午前中、南剣の強化稽古会がありました。
みっちり3時間、いやぁ・・・
疲れました。(;^_^A
ですが、今日の稽古会は私にとって本当に意義のある稽古でした。
話は変わりますが、今年の3月で我が家の長女が小学校を卒業し、高橋先生より一冊の本を頂戴しました。
試合に勝つ!一本が取れる!剣道上達BOOK
錬士六段 井上秀克先生著
成美堂出版
私自身、以前本屋さんで見かけたときから気になっていた本だったのですが、娘がもらったものを「ちょっと貸して」とはなかなかいいづらくて・・・
しかし土曜日の稽古後、とうとう意を決して本を貸してもらったのです。
そしてその中に・・・まさにこれほどどんぴしゃり!なことが書いてあろうとは。。。というくらい、今の私が悩んでいたことそのままに「攻め方」のイロハが詳細に記述されていたのです。
熱中して読むこと3時間。
強化稽古の日だというのに、寝たのは朝の4時半だったり・・・(苦笑)
しかし読んで得た知識を即稽古で実践してみたい!
その思いで眠たい眼をこすりながら、8時45分に体育館入りしました。
すると奇跡が起こったのです!
本日大人の指導にあたって下さった氷室先生が
「今日は攻める、ということを稽古してみましょう」
とおっしゃったのです!
実は、強化稽古会とはいっても基本稽古の時間はいつも通りだと思っていたので、互角稽古の時間に一人本の内容を実践しようかと思っていたのです。
それが約束稽古で、しかもご指導までいただけるとは、まさに願ったり叶ったり!!!
本当に夢のようですっっっ!!!
互角稽古では、こちらの思惑ですべてが自由になるわけではないので、コツをつかめるまでもっと時間が必要だったでしょう。
ですが約束稽古で、自分がしたかったことを丁寧にご指導いただいたお陰で、完全ではないにしろ、なんとなく感覚をつかめた手ごたえがあります。
その後の互角稽古でも、早速実戦稽古。
そうか、これが「攻める」ということか・・・
人間、求めればいつか通ずるものなんだなぁ。
と、ちょっと不思議で嬉しい体験が出来た日でした。
次回の稽古までに忘れてしまわないように、また繰り返し本を熟読し、内容を体に叩き込まなくっちゃ。(^^;;;
ここ最近になって、ようやく自分の中で思い通りの稽古が出来るようになってきました。
これまでは練習こそ出来ていたものの、なかなか稽古が出来ていなくて…
ところで、みなさん稽古と練習の違いって、ご存知ですか???
とりあえず辞書で調べてみました。
いかがですか?
意味合い的に似た部分もあるのですが、「練習」とは上手な人(大抵は先生や先輩)から教えを乞い、自身が学ぶことであるのに対し、「稽古」とは自分の過去に悪かった点を(自分で)振り返り、試行錯誤しながら自身を練り上げることなのです。
これまではブランクが長く、体も思うように動かなかった分、他の先生方の教え通りに事を進めることしか出来ていなかった(それだけでも一杯イッパイ!)のですが、ようやく今年に入ってから、その教えを自身で噛み砕き、振り返りながら自分の良い点、悪い点が見えるようになってきたのがここ最近だ、というお話です。(;^_^A
だからこそ、悪かった点をどうすれば良く出来るのかと考えることが出来、次の稽古のときには自分なりに少しずつ修正しながら先に進むことが出来るようになってきた、のだと思っています。
小学生の稽古を見ていると、毎回毎回同じことを同じタイミングで同じように言われていたりすることがありますが、これは稽古とは呼ばず、練習をしているのだ、と理解して下さい。
もちろん練習でも繰り返し繰り返し、体に覚えこませることで上達はします。
ですが稽古の妙味、不得手なことが稽古で少しでも上達するようになると、より自身の励みになります。
みなさん、良い稽古をしていますか?
遅ればせながら私もようやく、みなさんと同じように稽古が出来るようになってきましたよ。(*^^*)
最後に知っておきたい中心は「技」です。
技の中心、といってもピンとこないかもしれませんが、時間軸に置いてみるとわかりやすいと思います。
技は
- ここだ!という瞬間
↓ - 動作開始
↓ - 打突
↓ - 残心
まず1-2の中心を抑えてこちらが打突出来れば「出鼻技」となります。
次に2-3の中心を捉えてこちらが打突出来れば「抜き技」、「返し技」、「擦り上げ技」のいずれか。
最後の中心3-4(もちろん3を防いでの話ですが)を狙えば「追い打ち技」となります。
ちなみに2-3の中心で動作を開始し、相手より先に打突を決めることが出鼻技だと勘違いしている人がいますが、これは間違いです。
さらに先日記載した「気の中心」で紹介した
- 「平常心 ⇒ 攻め」の中心
- 「平常心 ⇒ 守り」の中心
相手が攻め、あるいは守りの気持ちに転じる瞬間 ⇒ 技を繰り出す、もしくは防御の動作を開始するまで
の間にこちらが打突を行うこと、ということになります。
「気の中心」、および「技の中心」は、剣道において最も打突の好機とされる瞬間です。
稽古では絶えずこれらの中心を自分が取る、ということを念頭において行うと、より上達も早くなることでしょう。
また、どちらの中心も相手にとってはこちらを攻めるチャンスとなります。
「体の中心」「気の中心」「技の中心」とも自らが抑えることが出来ればこちらの優位となりますが、いずれかだけでも相手に取られてしまうと、今度は相手の有利となってしまうことも忘れないようにしてください。
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HN: | まるち● |
HP: | 蕨市南剣道クラブ |
性別: | 男性 |
職業: | システムインテグレーター |
自己紹介: | |
小学校二年生より剣道をはじめ、高校時代まで約10年間修練に勤しむ。
その後一時剣の道から遠のくも、自分の子供たちが剣道を始めたことをきっかけに、再度剣士として修行を積むことに。 小学三年生より約四年間、かつて某テレビ局で殺陣の指導をされていた恩師ご指導のもと、神免派二刀をご教授いただく。 現在はIT関連企業に従事し、主にソフトウェアの検証・評価・導入支援を担当。 |